サウナの行き過ぎは精子に悪影響があるって噂、聞いたことありませんか?
サウナ―必読書で私ラキストの愛読書でもある
「医者が教えるサウナの教科書」著者 加藤容崇氏 を参考にこの噂の真偽について解説していきます。
【サウナ×精子】結論
サウナが精子に与える影響を調べた研究は過去にいくつかありますが、統計学的な有意差は出ておらず
結論としてはサウナは精子にどのような影響を及ぼすかはわからない、が現状です。
過去にどのような研究が行われ、どんな結果が得られたのか
また、現代医療の見解について整理します。
【サウナ×精子】研究例①
本書では1984年にオーストラリアのシドニー大学が発表した研究と1998年にタイのグループの研究を紹介しています。
シドニー大学の研究
85℃で相対湿度10%以下のドライサウナに20分間入った場合の精子への影響を調べたところ、
計測された精子数は
- 1週間後・・・約2/3に減少
- 5週間後・・・正常に戻る
- 10週間後・・・正常よりも増加
となり、サウナ=精子の悪影響と短絡的に結び付けるのは難しいようです。
また、サウナ直後一部精子の携帯以上も計測されたものの、サウナ後約6週間後で正常化したそうです。
タイのグループの研究
80~90℃のサウナに30分、2週間の間被験者は毎日入った場合の精子への影響を調べたところ、
サウナの直後に精子の移動速度の低下がみられたが、約1週間で正常化し、
数・量・形態異常・貫通力の異常は見られなかったそうです。
【サウナ×精子】研究例②
Andrea Garollaらが、2013年に発表した
「Seminal and molecular evidence that sauna exposure affects human spermatogenesis」について取り上げます。
和訳すると
「サウナがヒトの精子形成に影響を与えるという精力的および分子的証拠」です。
実験内容としては、
フィンランドの10人の被験者から、サウナ前、サウナ中、サウナ中断後のデータを収集しました。10名の正常精子ボランティアを対象に、週2回のサウナ(80~90℃)を3ヶ月間、15分行い、性ホルモン、精液所見、精子クロマチン構造、精子アポトーシス、熱ストレスと低酸素に関与する遺伝子の発現を、サウナ開始時、サウナ終了時、サウナ終了から3ヶ月後と6ヶ月後に評価しています。
結果としては、
サウナ前後で性ホルモンに有意な変化は見られなかったが、精子数と運動性に強い障害を認めました。
精子のDNAダメージも明らかであり、熱ストレスと低酸素への反応に関与する遺伝子発現がふえていました。
サウナを中断するとサウナ前に改善していることから、サウナを通しての高熱へのさらされることは可逆的な障害をおこしていることが同定されました。
サウナ―男性には由々しき結果ですね…
【サウナ×精子】まとめと見解
研究のサンプル数は少ないので、サウナは精子に悪影響と言い切るのは現状難しいようです。
ですが、共通しているのは、
- サウナ中、直後の精子への悪影響は否めない
- サウナ後一定期間たてば正常に戻り、むしろ元より良くなっているケースも観測されている
妊活をまさに今しているという方はサウナは避けたほうがよさそうですが、
そうでない方は特段気にする必要はないだろう、というのが私ラキストの見解です。
また、本書ではサウナよりも精子に影響を与える日常的な因子があるとしています。
それは「下着」です。
きつい下着を日常的に履いていると、精子に悪影響が出ることが報告されています。
サウナよりもっと日常的な因子を気にするべきではないか、と結論付けています。
コメント