今回は流行語大賞にノミネートもされた、今話題の”ととのう”という言葉について解説します。
サウナ―が口をそろえて言う”ととのう”とはいったいどういう状態のことを指すのでしょうか。
俗説による感覚的な観点と、医学的観点の両面から解説していきますよ!!
2021年流行語大賞ノミネート30語

2021年ももう11月に差し掛かり、2021年も締めに入る季節になってしまいました。
毎年恒例のユーキャンの新語・流行語大賞のノミネート語が発表されました!
コロナ関連の言葉がやっぱり多いなぁ。オリンピックもちらほらあるな。
・・・おっ!!???
なんとNo.20に”ととのう”がノミネート!!!
サウナ―としては非常に喜ばしいことです。
しかし、サウナとは無縁の生活を送るほとんどの人は意味が分からないだろうし、
聞いたことすらないかもしれません。
ちなみに、ユーキャンの説明はこちら。
「ととのう」
ユーキャン
コロナ禍で外出自粛、黙浴のすすめの中、サウナの人気が再燃。サウナと水風呂の交互浴により多幸感を得ることをととのうと表現。サウナ関連ドラマ・漫画も話題。
「サ道」というマンガ・ドラマが大ヒットしましたね。
コロナ禍で開放的気分を味わいたい人も多くなったことも人気を加速させたかと思います。
”ととのう”を「サウナと水風呂の交互浴により多幸感を得ること」と説明していますが、
サウナを全く知らない人は理解できるでしょうか。
サウナーの私からしたら、この説明はなんか胡散臭くて怪しいし、
サウナと水風呂の交互浴だけでは”ととのう”ことはできないので訂正したい限りです。
そこで、サウナとは無縁のあなたでも理解できるよう”ととのう”について説明します。
怪しい薬を服用した際の”キマる”とは違いますからね!!(笑)
”ととのう”とは?~俗説による説明~
“ととのう“とはいったいどういう状態のことを指すのでしょうか。
様々なサウナ―が様々な表現をしています。
- 身体がふわふわして気持ちいい状態
- 血流が体全体をめぐるのを脳でも感じて視界が揺れ始めて多幸感に襲われる状態
- 体がふわふわと少し浮かんでいるように軽くなり、どこか飛んでいけそうな感覚
- まるで一皮むけたような、生まれ変わったかのような感覚。
- 感覚が研ぎ澄まされ、聴覚もクリアになり、ととのっているときは水の音がすごくきれいに聞こえる
- どこかにトリップしたかのような感覚。恍惚感
- 気分スッキリし雑念が消失した状態
- 体が一気に軽くなり、皮膚がなくなった気分。同時に心臓の鼓動を強く感じる
- 聴覚に変化。すべての音が等価で聞こえるようになる
- 脳はクリアで体は軽く、体が内側から温かくなり、体がリラックスする。
- 血管が開き、全身の血流が良くなる。脳内に快楽物質が出ている感じがする
文章だけでみると少し危ないニオイがしなくもないですね。(笑)
私個人としては、「流れるプールに浮き輪でぷかぷかと揺られている」という表現が適切かと思います。
言語化が難しいですが、いずれにせよ
”ととのう”とはサウナ後に身体に起こる感覚が研ぎ澄まされておりかつリラックスしている
心地よい現象を指します。
文字だけでは伝わらない感覚です。
サウナで”ととのう”経験がない方は是非サウナに足を運んでほしいです。
”ととのう”とは?~医学的説明~
”ととのう”がなんとなく気持ちいいことは分かった。
が、医学的にどういった説明がつく現象なのでしょうか。

”ととのう”は熱いサウナに入っただけでは達成できません。
サウナ→水風呂→外気浴 を1セットとして複数セット回すことで初めて”ととのう”ことができます。
水風呂とは? 外気浴とは?
サウナという高温の環境下から、水風呂という水温16~17℃前後の低温の環境下に移行し、
外気浴で体をリラックスさせることで、体内に様々な変化が起きるのです。
もう少し詳しい話をしていきましょう。

”ととのう”には様々なメカニズムが合わさった結果の感覚ですが、
あくまで一例である自律神経とホルモンの関係から説明します。
人間には自律神経系が交感神経と副交感神経の2つあります。
これらは相反する働きをしており、
・交感神経は体が危機を感じた時に活性化
・副交感神経はリラックスしているときに活性化
という具合です。そして自律神経が活性化している(=体が危機を感じている)ときに
アドレナリン・ノルアドレナリン・エンドルフィンといったホルモンが分泌されます。
そこで上図を改めてご覧ください。
サウナと水風呂は身体にとって過酷な環境であるので、交感神経が活性化し、ホルモンの分泌が進みます。
外気浴に行ってリラックスすると、副交感神経の活発が優位になり、ホルモンの分泌は次第に減少していきます。
”ととのう”とは、
「副交感神経が優位であるのにもかかわらず、ホルモンが残っている奇妙な状態」です。
これにより、危機を脱しようと感覚が研ぎ澄まされているのに、リラックスしているという変な感覚を覚えるのです(=俗説的な”ととのう”)。
いわば身体の中で矛盾が起きている状態です。
合法的に「脳内麻薬」と呼ばれるエンドルフィンを分泌しているのです。
あなたが”ととのう”方法
副交感神経が優位なのに、アドレナリンやエンドルフィンが脳内にある状態を作り出すことは容易ではありません。
フルマラソンを走り切ったときはこの感覚に似ているのですが、一般人がフルマラソンを走ることは容易ではありません。
サウナに行きましょう!!!
当ブログでは、サウナに行ったこともない人もひとりで気軽にサウナに行けるようになることを応援しています。
東京都のサウナ体験記もまとめていますのでぜひご覧ください。
”ととのう”まとめ
”ととのう”とは感覚的にはサウナ後のふわふわしているけど感覚が研ぎ澄まされている状態
医学的観点では、副交感神経が優位だがアドレナリンなどのホルモンが脳内に残っている状態
”ととのう”にはサウナに行くしかない
流行語大賞にノミネートされましたが、一過性のあるものではなく、
サウナ業界はこれからも伸びると確信しています。
サウナに行こう!!!
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